人にはそれぞれ故郷があり
ふと、あぁ帰りたいとか、時々戻りたいとか思うのだろう。
心のよりどころだったり、懐かしい友が居たり、家族や兄弟や親戚や
恩師や自分を助けてくれた人や、もう二度と会いたくない人や
足を踏み入れるのが２度と嫌な人もいるだろうか。
人には
同じ一本の木も、それぞれの幾らかの経験や見聞の差から
それをどう感じるかとか、どういう思いやどういう気配や風情なのか
よく言う十人十色なのでしょう。
僕は生まれてこのかたずっと同じ定点に暮らしてている。
見聞も経験もそのくそほどコンパスの中心となってすり減って
軸がぶれそうになって、それでも穴が深くなってを
軸でも中心でもないのにそこを支点に呼吸をしている。
それでは僕は写真の観点から感性や感覚や
視点、見聞、感受性、それらの何が不足していたり問題点だったり
欠陥や不足や致命的な事なのだろうか。
もし何かが不足しているのなら、この町に住む全員がそうなのだろうか。
そうではなくて触れた人、抱きしめられた人、色々交わした人らの
接点や熱や感触や、距離や頻度やによって全然違うだろう。
都会で本格的な写真展を毎週のように見られるような事もないし
素晴らしいきらびやかな夜景もないし、オシャレなスナップにも向かない。
お前の町には俺からすると羨ましい自然があるじゃないかとは言われる。
なら、もし別の生き方がある時に僕のこの町で生きますか？
と、そう問いたくなる時がある。
時々帰るから懐かしかったり
めったに戻れないから嬉しかったり何かを感じたり
普段と違う環境だから知っていても新鮮だったり
同じ事の繰り返しに途方に暮れていてそこが地元で故郷だと
またそれもこれも感覚的に違ったりして
でも、どこに飛び出すのも余計何かがおかしかったり
今よりも増して何かが辛いのかもしれないし。
僕が言う故郷、あなたの言う故郷、
故郷中心のフォトライフをしていて
今僕は、ふとシャッターの上の指が動かないで幾日か
もう少し多くの日にちが過ぎている。
例年ならばとか、幾年か置きにそう言う事はあるものだと
そう言えばそれまでなのかもしれないけれど
人は
生きて来て
こんなはずじゃ無かったとか、こうなる事は想定にも無かった
そんな事ばかりなんじゃないだろうか。
どんどん将来が見えて来たり
どんどん人生が楽しくなったりする人もあるだろうし
その逆に、、まぁ僕のように先行きの光に不安に思う人も
僕だけが望み内人生に思うのでなく、似たような感覚の人だって
山ほどいて、僕ですらまだ幸せな方なんだろうなと思う時も多い。
時々何も見たくない時もあるもので
どこかに逃避したり、誰かに聞いてもらったり
話せる人が居たり、楽しい他の解消法があったりな事として
あぁ今日は楽しく過ごせるなぁと言う日に忘れて消化したり
解消したりして行くのだろう。
今日の僕は
ここ連日の僕は
ここもう数週間の僕は
故郷と言う吹きだまりの
見えない壁や動かない風や聞こえない音や
熱を感じない光みたいな、
なんだか自然豊かで四季の表情の様々な所に住んでいるにも関わらず
なにかコンクリートジャングルに孤独感をえらくおぼえている。
都会に森が無くとも
光の届かない密集を人がすれ違うのもやっとの街でも
光の無い地下で何日も労務をしたとしても
何かが通い何かが動いていれば
それは自分に心地良い脈が動く事が出来ているのだろう。
僕は生き方が不器用過ぎる。
自分の操縦がなかなか上手く出来ないね、幾つになっても。
もう少し
幾日かして、またカラッと心晴れる日は
まぁ普通に考えれば来るもので
それがあと幾日か判らないから悲しかったり不安だったりするのだろう。
今の僕には特別な事が何も無いせいもあるだろうし
逃げてゆく所も、ここで隠れる所もないのだろう。
故郷なのに。
あと幾日数えればクリスマスだ、もう幾つ寝るとお正月だ。
もう少しで予定していた旅行に行けるとか、
週末になれば会いたかった人に会えるとかの心の待ちも期待も無くて生きてるもんね。
ここのところずっと、、もう大分ずっと。
フォトライフの中で
時々原点的に感じたり、フォトライフで言う故郷みたいに思う定点も
ふとあるような気がするんだけど。
僕は時々、
目をつぶってでも歩けるはずの故郷であり地元に生きていて
絶対に戻れる気のしない迷い道に迷い込んだ感覚や
ひとつも撮り残したいと思う反応が出来なくなったりの感覚を覚える事がある。
いつだ
僕の晴れ間は。
どこなんだ
僕の故郷は。。。
cozy