JVC HA-FX77X

秀逸なサウンドデザイン

【デザイン】
人気のXXシリーズ一連の
一目で出音の想定出来る流れから一転、
大人でシックな気品を纏うルックスに。
作りも質感も良く、
これもまたルックスの通りの音が嬉しい。
【高音の音質】
下位機種より明らかに上質。
音場も広くシルキーで澄んでいる。
ボーカルが一段高く、
下位クラスより明らかに太く良質でとてもリニア。
音場が頭蓋骨周辺で小ぢんまりするカナルも多いが
頭蓋骨の外まで広がる音場はこのクラスの特権か。
【低音の音質】
低音のサウンドデザインは、
同社33や33のライバル他社品も所有しているが、
明らかに一段低く、一段深く、一段染み入るもので
定位も音像もリアリティーも格上。
私の所有しているカナルの中で
一番深く沁みる低音に位置します。
【フィット感】
大柄な筐体なのでフィット感で合う合わないは
レビューでも見かけますし間違いなくあると思いますが、
付属のL、スパイラルドットのLがフィットするタイプの
大柄男性、そんな私の場合、上手く耳のくぼみに
私専用設計かのごとくしっぽり収まり快適この上なく、
所有カナルの中でベストの部類。
多分、イヤモニサイズの大きさですので
耳の小さい人やSやMイヤピの人は意見が分かれるでしょう。

注意として、イヤピ密着がベストだと
グイグイ押し込みするとペリペリ音のするタイプです。
往々に音の良いイヤホンの幾つかに見受けられる現象なので
減点までには至りません。
すうっと装着すればペリペリは出ません。
寝フォンには大柄だし、寝返ればその現象も出るので不可。
【外音遮断性】
良し
【音漏れ防止】
問題なし
【携帯性】
付属のポーチは中級機によくあるパックンポーチ。
筐体が大きいからあのXXハードケースじゃ息苦しいかもですね。
私は蝶番式のメガネケースにゆったり収納しています。
【総評】
音の傾向とフィット感に大きく意見の分かれる機体ですので
最低でもフィット感だけは現品試着装着してから判断して頂きたい。

このクラスの重低音となると、
重いではなく、深い低音、沁みる低音、
満たされる充実な低音となって
重低音の意味が「充」低音と言えるかもしれません。

上の空間が広く低音が低く深いので
ボーカルが立ち、クリア感、明瞭感に長けているゆえに、
弟機のヤンチャ感、ドンシャリ感と比較して
大人しく過激さが物足りない感想につながるのだろう。
体に無理の無い音量や、聞き流す小音量でも
空間が上にも下にも広いメリットが活きて
スッキリと聞きやすく、ひっそり小さな音量でも
音楽が萎まず心地良いリスニングにも向く一面も感じます。

ファットでタイトな傾向とか
押し出しと張りがある傾向とか
太く前に出る傾向とか、
メーカーごとのサウンド傾向があるので
好みは間違いなく分かれるだろうが、
バランス型でもリスニング型でも
一連のJVCの低音の流れがツボに合うのなら
間違いなく舌を巻く賞賛に値する
トータルサウンドデザインたと私は思います。

特定に特化した製品として強く支持されるのではなく、
特定しない多くの人に嫌われない重低音機である事に拍手。




2017年7月2日