Sonnar T* FE 35mm F2.8 ZA

フルサイズセンサーが搭載されて
撮影の保持がちゃんと出来て、このサイズとパッケージングは
考えてみるとなかなかである。

35mmF2.8というスペックは
言うまでもなくとても平凡なものと言う印象だろう。
でも、ようく考えると
これってフルサイズのレンズでフルサイズのカメラなんだよね。
α7、もしくはα7Rとこのレンズを組んだ姿とサイジングは
とても小じんまりしていて、
フルサイズと言う意識を全くさせるものではない。
厳密に言えばαのシャープなデザインと多ダイアルなルックスと
レンズのしゅっとしたデザインとパッケージングだから
それを感じさせないだけであって、質感や作り、
自分の側に置いた際のプレミアム度が低いと言う事では全く無く、
この小ささで発するフルサイズというプレミアム感は逆に大きいと思います。

 

「Sonnar T* FE 35mm F2.8 ZA」
このレンズを使い続けての印象と雑感なのだが
撮影した画像を精査していると、絞り開放だけと言う事でなく
周辺光量落ちは僕の想定の単焦点レンズとしては結構大きく
開放では結構大きめで、それは絞り込んでも少し有る。
ただし、それはカメラの周辺減光の補正において
またソフトウェアにおいて簡単に解決する事は出来る。
ただ、そのままの素の撮れたもののその周辺減光も
なかなか良い感じの作品になる。
35mm特有の注視と説明のどちらの要素にも捉える事の出来る画角は
フルサイズセンサーで撮影された35mmのそれだと言う味に貢献する。

うまく言わないと誤解とファンから非難の声が出そうだが
どう考えてもフルサイズのレンズとして
ここまで小さく、そして何よりもツァイスである事を考えると、
小さい事の利点と利便と常使いでのメリットの方が実に大きいと思います。
レンズの解像感に関しては
中心部より周辺の方の解像感はリニアで高精細なフルサイズで使う事もあり
私レベルの目でも中心と周辺の差は見受けられる。
それは周辺減光と同様に絞り込んでもその傾向は残存する。

湾曲に関しても同様にフルサイズレンズのサイジングとして
とてもコンパクトな49mmのフィルター径前玉からすれば納得でもあり
これも手の付けられないものでは全く無く、掲示作例のように
不自然さの無い真っすぐな線として容易なソフト補正で仕上げられます。

元来寄れない事の多いツァイスだが、
このレンズは、なんとか焦点距離分の1センチまでは寄れる。
ただ、他の一般の35mmレンズには25センチや30センチまで寄れる玉もあるので
この点の5センチの寄れる寄れない部分はスナッパーなら重要だろう。
とても意見が分かれるだろう。
一般アマチュアの上手い人との差に画角の中の被写体をどの割合で置くかの
センスの差が出る要点の一つがあり、アマは主題を大きくし過ぎる傾向があり
そう言う例は望遠で何でも主役を大きく撮ってしまう例を見ると良く分る。
スナップにおいても見ただけで説明やインパクトの説得は大きくても良いが
上手い人の写真ではその取り巻く状況や環境やらを上手く混ぜ、
35mmの中に主題以外の詰め込みと整理の上手さがあるものだ。
この寄れない特性を、今より大人の作品を考える上での
寄り過ぎ注意矯正ギブスにしても良いかもしれないですね。

やはり振り返りながらも、幾ら考えても
このサイズの小ささと、αと組み合わせた時のパッケージの良さは
どう考えても尋常でなくカテゴリーの中で劇的に小さい訳で
「小ささは現代機器として正義だ。」と言わせるもの。
このサイズでファインダー付きのフルサイズなのだ。
僕はこの件はなかなかの事だと思う。

 

CanonとNikonのフルサイズユーザーの中には
メインで使うフルサイズは高価で大きく扱いの面倒も醍醐味のひとつだ。
そういう人も少なくないと思うし、ここまで安い価格破壊とサイズで
アマの誰でもが簡単にひょいとフルサイズシフトはしないで欲しいとか、
オレたちの特別なフルサイズの層を掻き乱さないで欲しいと言う声も聞いた。
僕もNikonフルサイズ所有と大きな大三元所有者の一人として
αと付き合う前は心の何処かでそう思う面も正直有りました。
でも、今日時点で、その気持ちと感情はぶっちゃけもう無いですね。
使ってみると、とてもアリなんです。
きっとこれは古参ではなくSONYである事も含めてで、撮影で歩いていると
昨日までの自分の古典的なものの絶対感を打破したい境地や
撮影そのものも、ツールにも、何かの切っ掛けで別の扉を開きたいと思う
そんな要因の誘発になっています。

レビュー期間、αリストとして、
αリストになり切って4点と付き合い取り組んでいます。
どうしても物理的に無理な広角域と望遠距離を除き、普段のフォトライフを
レビューの4点の組み合わせで出来る限り撮り切るつもりでやってみている。
週1本と合計10枚の撮影義務規定さえ満たせば義務規定はOKなのだが
この事で常より多少手狭になっても出来る限り4点を駆使しようと思っている。
なんかちょっと面白くてこの4点を触って一日数枚とかでも遊びたくて
地味に淡々とレビューに取り組んでいます。

このサイズで、フルサイズセンサーが搭載されて
撮影の保持がちゃんと出来て、このサイズとパッケージングは
よくよくどう考えてみても、実になかなかである。

2014年02月01日 ~ 2014年03月09日