audio-technica ATH-CKS550i


歯がゆいけれど、

【デザイン】
ダンゴムシ、串団子、だんご三兄弟的な
好みの分かれる所ですが、
価格の割に作り込みの精度も質感も高い。
【高音の音質】
同コンセプトを唄う同価格帯ライバルより
リアリティーも定位も明瞭感も洗練され好印象。
下位レギュラーグレード機より
間違いなく良質なサウンド。
【低音の音質】
XB50、FX101、FX11X、FX33X、FX77Xも所有しているが
FX77X以外はソースやジャンルやDAPでだいぶ印象が変わる。
こちらは音源やDAPによる印象の差は少ない。
重低音と名打つから量感が足りないとなるのは購入前から織り込み済み。
所有のオーテク機から比較すると
CKR3よりも遥かに量感も質感も嬉しいくらいに持ち合わせているが
IM50、LS50よりもタイトさは近く量感は劣る。
試聴機でも比較したがCKR30より遥かにボリュームがあり
CKR50にこれもタイトさは並ぶが、ファット感と量感で劣る。
ExtraじゃなくてSolidという呼び名は確かにそうかも。
【フィット感】
ノズルの深さを2段階に調節出来るので
機体の大きさを耳に預けた上で良いポジションに持って行ける。
平コードゆえに不評のタッチノイズは購入前から織り込み済みだが
他に普通のコードなのにこれ以上のタッチノイズの機種もある。
解消にクリップ等を使うと軽減されるのに付属はしていない。
コードスライダーも装備されていないのは残念。
【外音遮断性】
良い。
【音漏れ防止】
無い。
【携帯性】
本体が大型かつ平コードなので
付属のポーチがレギュラー機のそれなので窮屈に感じる。

【総評】
iPhone、iPod touch専用で有線で刺しっぱなし前提を1本追加したく、
音に過不足無しが第一で3000円ラインまでの低価格と制限すると
ワンボタンやアナログボリュームやAndroid併用で機能制限があったり
星の数ほどイヤホンあれど、なかなか選択肢は多く無い。

これよりも全然小ぢんまりしたサイズやフォルムで
もっと量感ある低音を奏でるイヤホンもある。
10mm以下のドライバーサイズでこれよりも
ファットで量感ある低音を出す機種もある。
ただ、オーテク中級機以上が持つボーカルの近さとタイトさとビート感、
低価格と機能必須の条件の中でも
出来るだけ解像感と明瞭感も、リアリティーもニュアンスも納得出来て、
不満の点数が多くても我慢や織り込み済みで相殺相殺出来て
最終的にアップル製品の中に詰め込んだ圧縮音源を
楽しく快適に楽しめるかと言えば、
とても歯がゆいが、
音は悪くはない、全然悪く無い。
この価格でこの中高音と低音でフルリモコンでとなれば
むしろ良い。
同社で上のグレードを持っていても違和感も劣化感も無い。
オーテク併用者が低価格サブ機としてつけ入れないレベル。
だからこそ歯がゆい1本な気がします。

機種名や型番や重低音の謳い文句がきっと適切じゃ無いのだろう。
単純にズバリCKR30とCKR50の間の音なんですよね。
普通のオーテクとしてバランスの取れた価格に見合う1本。
大柄で好みの分かれるルックスも合わせ、
レギュラーモデルはL字プラグなのに
リモコン付きだけストレートプラグな所も、
太くてタフさはタッチノイズを相殺しても良いのに
ストレートプラグと太いフラットコードの組み合わせに加え、
蛇腹の作りも動く方向が180度前後方向にしか動かない作り。
リモコン動作と操作の感触や節度はアップル純正同等不満なし。

歯がゆい点がとても多いのに憎めない1本な気がします。
モノとしての質感もイヤホンとして音の質感も実に良いので。

売り上げのペースを落としただろうリコール問題は
サイトで番号を参照確認しておく事をお勧めします。

心配点、不満点と
納得点と印象点と合格点を加点減点で相殺したら
多くのレビューより点数は低くはないと私は判断しました。

audio-technica ATH-CKS550i


2017年7月9日